うちのスライディングルーフ式観測所に,40cmカセグレンを据え付けました。
この40cmは関東地方に据え付けられていたものを譲っていただいたのですが
緯度が異なるためそのままでは設置できませんでした。
今回緯度調整用のスペーサーを作り,やっと組み上げました。
(約3度傾いたスペーサーで下の写真のピラー極軸体間に挟んだ銀色の部分)
分解して輸送した赤道儀は総重量で約500kg
最大重量のピラー部が200kgほどなので
2階の観測室まではクレーンで搬入しましたが
組み立てはチェーンブロックを使い,人力で行いました。
極軸体や赤緯体の吊り上げはスライディングルールを門型クレーンとして使い
100kg近い鏡筒はやぐらを組んで吊り上げました。
ルーフを門型クレーンとして使うアイデアはルーフ製作時に考えており
吊り金具を予め設置していました。
木製のルーフですが100kg程度なら何の問題もありません。
何とか設置しただけで極軸の調整や,光軸の追い込みもこれからですが
予想以上に良い星像でした。
シーイングが良かったので,40cmカセで見る土星は素晴らしかったです。
焦点距離が4,800mm(推定)もあるので直焦点での撮影は無理と思いますが
将来的にはWynneの補正レンズを使い,40cmF3のアストロカメラ(プライムフォーカス)
としても使えるように改造する予定です。
100kgの重量が物語るとおり,頑丈に作られた鏡筒です。
観測所の全景はこんな感じです。(ルーフは半分開いた状態です)
2005年夏の着工から5年も経ちましたが
まだまだ工事中なので散らかっていますね(笑)