この週末はオーストラリア遠征仲間の観測所に出かけました。
去年のケアンズ日食の際に自動導入改造の話が持ち上がったからです。
ここには,ASKOのSX260赤道儀が4台も設置されていますが
この赤道儀は仕様により赤緯側のモーター駆動方法が異なります。
FS2で駆動するためには,モーターを交換する必要がありますが
それに伴う機械加工が不要であれば用品をお送りすればよく
その分安価に自動導入改造ができるのでその確認を行いました。
これは赤緯側でウォーム軸に対してモーターが平行に配置された仕様です。
軸径や軸位置は同じなので,基本的に新しいモーターとそのまま交換できますが
従来はモーターとギヤヘッドが別売りされていたため
長いボルトでモーター側からギヤヘッドを貫通してプレートに固定しています。
(従来品のギヤヘッドはM4用の通し穴)
それに対して現行品はモーターとギヤは固定されており
プレート側からボルトで固定するのでちょっとした工夫が必要です。
(現行品はギヤヘッド側がM4タップ)
写真を見ておわかりかと思いますが
L型のプレートを赤道儀ハウジングに固定したボルトと干渉するため
下側の2本はL型プレート側から固定する事ができないのです。
でもメンバーの方と色々お話しているうちに
ギヤヘッドを従来と同じように通し穴に加工すれば簡単に解決することがわかりました。
まさに3人よれば文殊の知恵(アイデア?)ですね。
こちらは同じ赤緯軸側ですが,ウォーム軸にモーターが直結された仕様です。
基本的に上記と同じようにモーター側を加工すれば
現地加工は不要でそのまま交換できます。
最後は赤経側ですが赤経側は仕様による差はありません。
赤緯と同じようにギヤヘッドを加工すればそのまま交換できますが
こちらはL型プレート側をタップ穴から通し穴にする事でも対応できます。
なお,赤緯側もそうですが,モーターインロー部の直径が変わるので
その対策として専用スペーサーを挟みます。
長くなりましたが結論は,現地での機械加工は不要で
当方からお送りする用品と交換するだけでも自動導入改造ができる事がわかりました。
なおSX260のホイール枚数は過去の経験上,赤経が351,赤緯が300枚と思います。
SX260は赤道儀に目盛環があるので
違っていたとしてもFS2の表示値と比較すればごく簡単に見出せます。
今回ご紹介した据付け用赤道儀改造用として
FS2(30V仕様,オートガイド対応)と写真の両軸モーターをセットして販売しております。
先月まではセットで142,000円でのご提供でしたが
為替レート変動のため,2月1日から154,300円に改訂しております。
今後,円安が進めばさらに改訂させていただきますのでよろしくお願いいたします。