カメラレンズ用フォーカサーは主に個人用として試作・評価を行ってきましたが
友人から
1.フランジバックが44mmのCanon EFレンズを使い
2.バックフォーカスが22mmのモノクロフルサイズ冷却CCDで
3.LRGB撮影を行いたい
4.しかもCCD面が100μほど傾いている
という難題を押しつけられました。
44-22=22mm*のスペースで上記を全て満足しなくてはならず
ハードルは高いのですがその分燃えました(笑)
(*フィルターの厚みの関係で1mm程度は長くできます)
最後に,もしかすると広角天体写真の概念を変えられる
デジタルでありながら銀塩みたいにしっとりした綺麗な写真が撮れる
と熱く語られれば作り手としては何とかしたくなりますよね。
私自身その様な写真が好きですが,私にはその様な写真の撮影や
画像処理のテクニックがないので‘物’で協力させていただきました。
「作る側」は「使う側」のご要望を聞くことが一番大事なことですから。
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今回紹介するフォーカサーは上記のような経緯で作ったものですが
ご要望があれば頒布いたします。
特に期間は設けず当面の間頒布いたしますが
加工品のスケールメリットや好意で分けてもらっている
フォーカスコントローラーの製作上
1ロット5台程度での製作となるのでお待ちいただくこともあるかと思います。
上記のようにフォーカサー機能にスケアリング調整機能を持たせ
さらに抜き差し式ですが撮影中にフィルターの交換にも対応しました。
ただし,フォーカスモーターがレンズ側に突き出ていたり
三角形に張ったタイミングベルトとレンズ鏡胴の干渉など制限も多い
特殊な物です。平行度やスケアリングの調整のためオープン構造です。
詳細な仕様は近日中に頒布品のコーナーで紹介いたします。
下の写真は真横からの撮影ですが,モーターとレンズの位置関係が良くわかる
と思います。
FLI互換テーパーリングアダプター(光路2mm加算)に3mmのシムを併用し
バックフォーカス17mmのAtik383を22mmでピント位置をテストしています。
バーダーのフィルターを挿入し,レンズのピントリング∞位置で
フォーカサーは可動範囲のほぼ中央(光路長=23mm)です。
この位置から±1.5mmほど調整できます。
ML8300などバックフォーカスが短いFLI社製カメラでは
レンズマウント部の嵩上げで対処予定です。
次の新月期にはこのフォーカサーを使って素晴らしい写真を撮っていだきたいです。
冬の銀河など最高でしょう。←リクエスト!