P-2やH-40赤道儀用のモータードライブ(AMD-1)は
駆動回路を2軸対応にした,AMD-2への移行をご案内しましたが
その仕様に関するお客様からのご要望をいただいております。
現在のAMD-1はP-2やH-40赤道儀を星野写真専用として使うアイテムなので
ハンドコントローラーやクラッチには対応していません。
その代わり,駆動用電池や極軸望遠鏡の視野照明電源までも内蔵し
外付けの電池など余計なものは一切不要です。
消費電流も約60mAと極めて小さいため,内蔵電池で10時間以上駆動する実力
(カタログ値ではありません)を持っています。
過去にポータブル赤道の2軸駆動化のアイデア(思いつき?)は
何度となくご紹介しておりますが
A.1つの方法としてはAMD-1の思想を受け継ぎそのまま2軸電動化する。
B.もう一つはせっかく2軸電動化するならハンドコントローラーで操作できる
ようにする。
前回ご紹介した時点ではAの方針で進むつもりでしたが
お客様のご要望はBが多いようです。
私自身も2軸をハンドコントロラーで操作できれば便利と思うシーンがあります。
それは,皆既日食を撮影する際,第二接触(皆既)直前に
極限まで細くなった月縁でピントを合わ直す時です。
フィルターを外すのと同時に,ピントを合わせるため一旦構図を変えますが
極めて短時間で行う必要があります。
フィルターを外せるようになってから第二接触までは10秒ほどしかありませんので
コントローラーで構図の操作ができればミスも防げます。
そのような訳でAMD-2はハンドコントローラータイプで設計を進めています。
写真は試作段階で,まだグリーンレジストもない基板です。
今時眼視ガイドを行う事はないので,修正ボタンでの手動操作時は
16(8)倍速固定です。(16倍と8倍は内部スイッチで切り替え)
もちろんオートガイド時は微速で修正しますので速度の切り替えは不要です。
一番の関心どころは11月のケアンズに間に合うか?かと思いますが
残念ながらあと2ヶ月では製品化までは難しいようです。
私自身が試作機を使ってみて製品に反映する程度かと思っております。
対象赤道儀は両軸が電動化できるマークXなどです。
写真のような改造はお請けできませんがP-2赤道儀については検討中です。