星野写真を撮る場合,目標を写野に入れるだけなら
X軸とY軸の2軸があれば良いのですが
構図を取るためにはもう一つ写野の回転軸が必要になります。
この軸を使った回転はレボルビングと呼ばれていますが
天体撮影では以外と難しいですね。
通常は自由雲台の首振で構図をとりますが,構図次第ではバランスが
大きく崩れることや,自由雲台のクランプを緩めて構図を取っているときは
カメラの重量は手で保持するため赤道儀の極軸は極端なアンバランスになります。
ポータブル赤道儀では赤道儀の負担も大きく極軸がずれたりする事もあります。
南中した星座を横構図だけで撮るのなら極軸のみのポータブル赤道儀+自由雲台
の組合せでもいいのでしょうが?
銀塩時代はケンコーのバリアングル110で良かったのですが,背面にモニターや
スイッチが付いた現在のデジ一眼では使いづらいでしょうしね。
そこで,新たなレボルビング装置を試作しましたが,原理はその昔マミヤから
発売されていた製品を参考にさせていただきました。
天体撮影に要求されるのは長時間露出中の確実なロックと赤道儀等への
取付方法,また天頂付近を向けての回転に耐える事です。
確実なロックや理想的な赤道儀への取付を実現する事は容易かったのですが
天頂を向けた状態でのスムーズな回転は難しいです。
ベアリングで保持するなど凝れば可能ですがかなりのコストアップになります。
試行錯誤の結果,行き着いた結論(妥協?)は,滑らかな回転は求めず
クランプを緩めて振れれば良い!です。
確実なロックとコストの代償として,スムーズな回転が得られない事は容認しました。
中抜きのブーメラン形状は加工が大変ですが,溝部を2カ所固定しますので
ロックは確実です。
レボルビング中もバランスが崩れないため全てのクランプを緩めた状態で
構図をとれるのは良いですね。
それから軽量な事ともセールスポイントでした。
もう少し手直しを行い10月頃には製品として発売予定です。