先般紹介しました海外遠征用三脚ですが,強度についての
お問い合わせがありましたので直感的に解り易い?試験を行いました。
一見乱暴なようですが単なる静荷重ですので人ひとり(約68kg)
くらいではビクともしません。
開き止めもありませんが,開脚部はテーパー付きの差込方式のうえ
脚の伸縮機能もないので金属の強度からみれば
これくらいは何ともないでしょう。
ただ,上記のテストは単にどれだけ荷重を掛けられるか(破壊しないか)
で,三脚に要求される強度からみればあまり意味はありません。
本来の目的で三脚に要求される強度は撓み・捻れ・振動であって
耐荷重ではないので,あくまでも参考程度と思ってください。
撓み・捻れ・振動は感覚的にも定量的にも表現が難しいのですが
構造上ガタの発生する部位はありませんので撓みや捻れは小さく
肉厚3mmのパイプですので振動についても小さくなっています。
(振動に限っては外径114mm,肉厚5mm程度の鉄パイプのピラーより
格段に小さいです)
三脚,赤道儀,撮影機材一式の重量を15kg程度に制約される
システムにおいては必要十分な強度です。
大抵のカメラ三脚は伸ばしての使用には耐えませんので
縮めて中に収納された脚は重たいだけで強度には貢献しません。
その点組み立てはやや面倒ですが,2.5kgのアルミ材全てが強度上
無駄にならない構造です。これが一番強調したい事です。