先日,中古品のオートコリメーターを入手しました。
オートコリメーターは,光路中にビームスプリッターが入っており
本来は被検物の平行度や角度測定
カメラレンズの距離目盛の調整やフランジバックの測定
などに用いられるものですが,チャートをピンホールに替えれば
無限遠からの平行光束を作れます。光学機器調整用の人工の星ですね。
口径が40mmと小さいので
口径の大きな被検物の場合は中心部のみのテストになりますが
カメラレンズの検査には十分使えるようです。
また,オフアキシスガイダーの光路長の確認などにも使えます。
早速手持ちのカメラレンズのうち,好結果が予測されるマミヤRB/RZ用の
レンズをテストしてみました。Or4mmのアイピースを使った眼視テストです。
広角のULD50mm,M65mmとAPO望遠の210,250,350,500mmの6種7本です。
全てのレンズは事前に碍子に反射する太陽光や実際の恒星でテストしていましたが
今回のコリメーターでも同じように観察できました。
(色収差は太陽光が圧倒的に分かりやすいです)
多くのカメラレンズの場合,色収差もさることながら
レンズの光軸(平行度や芯)ズレが原因と思われる症状を呈します。
内外像はほぼ同心円でも,焦点位置からわずかにピントをずらすと
中心の明るい点の極近くに別の光る点が見えます。
ちょうど雪ダルマみたいなイメージです。
星を写す場合,銀塩ではあまり問題にならなかった収差も
デジタルなら見えてしまう(写ってしまう)場合が多いようです。
ひどい場合は,内外像が同心円にならないことや
レンズの圧迫が原因と思われる星像が三角や不定形に延びるものもあります。
テスト結果は他の手持ちレンズも含め,順次リポート予定ですが
今回のテストレンズは期待どおり素晴らしいものでした。
ただしM65mmのみは色収差は無いのですが,星像がいびつになり
デジタルでは全く使えない性能でした。
このオートコリメーターの光源を15cm屈折につければ大きな口径のレンズや
反射系の光軸調整や性能のテストができそうですね。
試してみようと思っています。