フォーカッサーについてはたびたび紹介していますが
現在,M92タイプの大型と平行して
Atik製の1.25インチ用フィルターホイールとの接続を前提にした
小型のフォーカッサーも開発しています。いずれも実機テスト段階です。
フィルターホイールは構造上光軸がオフセットしていますが
このフォーカッサーも同じ位置に光軸を配置し外径も同じ120φにしました。
M92タイプ同様にオフアキシスガイダー(OAG)内蔵です。
写真は内部構造がわかりやすいようオープンにしていますが
実機は片側のプレートがアルミ削り出しのカバー形状になります。
ごらんのとおり,ギヤ駆動です。
M92タイプはバックラッシュをなくすためタイミングベルト駆動を採用していますが
ベルトの場合,大きなモータートルクを必要とします。
今回ご紹介する小型タイプは光軸がオフセットし
中心にアイドラーギヤを配置できるのでギヤ駆動としました。
5ミクロンほどのバックラッシュはでますが,実用上は問題ないレベルです。
安価にできることと小型のモーターで駆動できるという大きなメリットがあります。
下の写真は望遠鏡側から覗いた状態で,撮影用のCCDとプリズムに反射した
OAG用のCCDが写っています。
アイドラーギヤも写っていますが製品はカバーで隠すことになります。
このOAG部は手持ちのメーカー製に手を加えて仮に付けただけですが
製品は専用設計となり,Tネジで固定します。(回転調整機能あり)
また迷光防止のためプリズムに遮光板を付ける予定です。
OAGは組み合わせる撮影やガイド用カメラとフィルターホイールの有無などで
光路長が異なるため市販品を購入しても調整が大変です。
開発中のOGA内蔵のフォーカッサーは対応する撮影とガイド用カメラを限定し
予め光路長を設定する予定です。
具体的には撮影用カメラはAtik製冷却CCDカメラ(フィルターホイール使用)
またはCanon製のDSLRで
オートガイダーはAtik-16ICまたはMEADEのDSIのみの対応となります。
また,光路長が大きくなるのでバックフォーカスが決められたレデューサーは
使用できません。(TOAレデューサーはバックフォーカスが大きくとれるので使えます)
上記写真の望遠鏡取り付け用M42P0.75ネジからCCD面までの距離は約70mmです。
kasai Trading様扱いのGS-200,250RCは専用レデューサーを併用して
テストを行う予定です。
今回紹介するOAG内蔵のフォーカッサーは60,000円程度で
コントローラーは13,000円での販売を予定しています。(発売時期は9月頃)
なお,フォーカスコントローラーとして第一無線コンピューターシステム様から
β-SGRをご供給いただけることになりました。
カメラレンズ用などに限定されますが
セミオートフォーカスや優れた解析機能をご使用いただけます。
この件については改めて後日ご紹介します。