スポッティングスコープで有名なコーワから正に天体撮影用に開発した?
とも思えるスペックの望遠レンズPROMINAR500mmF5.6FLが発売されました。
フローライト1枚+特殊低分散レンズを2枚(F4では3枚)使った高性能レンズです。
フローライトは2枚目に配置されていますが前玉とほぼ同じ大口径レンズです。
望遠鏡で言えば88mmFl500mmなので,Sky90やFSQ85EDと同じようなスペックです。
リアコンバーターでF4やF9.6でも使えるところも良く似ています。
私は一応天体望遠鏡も所有していますが
撮影用としてはカメラレンズが好きなので早速入手してみました。
光学性能の高さは発表されているMTF曲線から推測できたのですが
一番惹かれたのはマスターレンズ単体で使った場合のバックフォーカスで
マウントアダプター接続面(実はNikonFマント)から120mmほどもあります。
上の写真の位置でピントがあいます。
通常のカメラレンズで天体撮影する場合,そのバックフォーカスから撮影機材が
制限されますがこの距離なら全く支障ありません。
写真はワンショットカラーの冷却CCDなので光路長調整のためボーグの回転装置を
つけていますがモノクロの場合,ここにフィルターホイールを入れられます。
オフアキを付けても30mm程度の接続マージンが取れるほどの余裕です。
F5.6での使用に限定されますがこのバックフォーカスは本当に嬉しいですね。
肝心の光学性能ですが入荷したばかりなので実際の星では確認していませんが
写真のコリメーターで見た感じは中心部のシャープさはFC50や60と同じ程度で
色収差はFC60よりもかなり少なく全く感じないレベルです。
(ほぼ同口径で比較すれば良いのですが,持ち合わせがないので
FC50,FC60,FS60で行いました。
なおFC60は実際の星で見比べると口径が小さい分,TOA-150よりシャープです)
高級な望遠鏡と同程度の光学性能のようでさすがにコーワの自信作です。
本来眼視用の光学機器メーカ製なので当然かも知れませんが
高倍率の眼視でも使えるほどの高性能レンズのようです。
私の所有するどのカメラレンズより眼視性能が高いのは確かです。
さらに,重さが同口径の望遠鏡の半分ほどしかないことや
絶妙なデュアルフォーカスなどメリットの多いレンズです。
写真のオフアキ仕様でしたらカメラやオートがダーも含めた一式で2.7kgです。
今回は急遽,手持ちのNikonFマントを流用してM43ネジ仕様に仕立てましたが
M57などの望遠鏡仕様のマウントアダプターも発売されれば
本当の意味で天体望遠鏡になりますね。
さらに欲を言えばF4仕様もM57などで接続できれば最高ですが。
なお,専用バンドや電動フォカサーは私のところで商品化を検討しています。