GF50赤道儀はケンコー製の極軸望遠鏡を採用していますが
このタイプの極軸望遠鏡は極軸に対し独立して回転できるので
クランプフリーでも極軸が回転しない赤道儀には必須です。(スカイメモ等)
また,クランプフリーで極軸を回転できる赤道儀でも
鏡筒を大きく回す必要がないので便利です。(ビクセンGP等に移植した場合)
ただ,極軸望遠鏡が極軸内で回転するため(相対的な位置が変わるため)
1.極軸望遠鏡の機械的な回転軸とレチクルも含めた光学的な光軸が合致していること
2.1の状態の極軸望遠鏡が極軸に対して平行を保ったまま回転できること
(両者の光軸が合致していること)が要求されます。
たとえば,1の状態でも極軸望遠鏡が極軸に対して傾いてねじ込まれていれば
意味がありませんよね。
ではどう調整するかと言うと
1は極軸望遠鏡を回転して,遠景に対してレチクルの中心が移動しないよう
レチクルを調整します。
2については通常は調整できず,極軸の加工精度に委ねる事になります。
極軸の外周と極軸望遠鏡接触面を同時に旋盤加工された極軸に
そのまま極軸望遠鏡をねじ込む場合,誤差は無視できるレベルです。
前置きが長くなりましたが,GF50の極軸望遠鏡は2も調整できる構造です。
極軸に直接固定していないのでこれが調整できないと本来の意味をなさないからです。
具体的な調整方法は
まず下の写真のように極軸望遠鏡を単体で180度回転させて
遠景に対してレチクルの中心が移動しないようレチクルの位置を調整します。
次に,下の写真のようにGF50の極軸を固定します。
通常とは逆の状態でGF50本体を180度回転させて
遠景に対してレチクルの中心が移動しないよう調整します。
その調整は極軸望遠鏡の接眼部側を固定している
GF50のリアパネルの位置を微調整して行います。
パネルを固定している4カ所のネジを少し緩めると
極軸に対して極軸望遠鏡の光軸を僅かに振ることができます。
ここで紹介した1と2の調整は済ませて出荷しますが
海外遠征時などは念のために現地で確認~調整する事ができます。
GF50の極軸を固定する際は,GF50標準セット付属のジンバルや
クイックリリースプレートと三脚を使いますが
GF50とプレートを90度に固定するL字金具だけ別途必要です。
これはオプションとして3,000円で発売いたします。
(1と2の調整に必要な0.89mm,1.5mmの六角レンチもセット)
現在GF50赤道儀は協栄産業様で販売中です。