HP上で紹介しております,リモートパワーフォカッサー(RPF)は
駆動モーターのトルクの問題などで開発が暗礁に乗り上げて?いましたが
ここへ来て大きく前進しました。
赤道儀の駆動において圧倒的なレスポンスで好評をいただいている
ハーモニックドライブのステッピングモーターを投入する目処が立ちました。
以前からハーモニックドライブがパワーフォカッサーに最適である事は
判っていたのですが,高価な事や5相モーター仕様のみのラインナップ
のため採用できませんでした。
が,ここへ来て赤道儀駆動用として手配している新古や中古モーターを
予想以上に入手することができて余剰が出ました。
(と言ってもさし当たりRPFに回せるのは20~30台ほどですが)
ピント合わせはピントのピークを越えて初めてピーク位置が判るため
ピーク付近を前後に行ったり来たりしますが
この操作を行うモーターにバックラッシュがあったらピークの検出は
大変ですよね。
一般のドローチューブはツマミ1回転で25mmほど抜き差ししますが
平ギヤを使ったギヤヘッド付きモーターで駆動した場合では
ギヤのバックラッシュが1~3度程あるため,計算上ギヤヘッドだけでも
70~200μmものバックラッシュになります。
常に片方向から追い込めば良いとは言え,上記数値はピント合わせの
精度の10倍近い値ですので容易でありません。
そのためギヤヘッドを使用せず直接モーターで駆動する方式で開発
しておりましたが,モーターのトルクや駆動電流,保持トルクの問題
を解決できない状態でした。
これらをすべて解決するのがハーモニックドライブです。
バックラッシュばかりでなく,荷重で逆転することはないのでクランプ
を締めなくともカメラの自重でドローチューブが抜け出る事はありません。
ただ,ハーモニックドライブのステッピングモーターを採用しても
ラック・ピニオンの遊びによるバックラッシュは残ります。
写真(試作品です)のFS-60ではドローチューブに荷重がかかって
いない状態でその量は30~40μmですが,負荷がかかると
ヘリカルギヤのためドローチューブが回転したり
ピニオンギヤのスラスト移動で上記数値より多くなります。
ドローチューブの回転は対応が難しいのですが開発中の装置では
このピニオンギヤのスラスト方向の移動も抑える設計です。
また,ステッピングモーターのお尻に手で回せるツマミもつける予定です。
何らかの理由でモーターが使えないときには,1/50のマイクロフォーカッサー
として機能します。
まずは,合焦ハンドル軸長95mm,軸径8mmの機種用として20~30台分
製作予定です。
その後はモーターの手配がつけば順次他機種用も検討いたします。
なお,先にモニターを募集した際,情報をご提供いただいた方につきましては
モニター扱いで対処させていただきます。
(申し訳ありませんが当面は上記で対応できる機種のみです)
*HPの記事内容は近日中に修正いたします
*FS60単体のバックラシュ数値に間違いがありましたので訂正しました:1月13日