今夏の日食をタカハシのFS-60Cで撮影される方も多いと思いますが
この鏡筒は極端な短焦点のため,接眼部に一眼レフカメラを付けた場合
重心がカメラ側に偏り,純正のオフセット付きのバンドでもバランスは
取れなくなります。重心位置は52mmの延長チューブ付近になります。
架台が少々のアンバランス状態でも影響しないくらいに強固であればいいのですが
重量制限のため限られた機材を強いられる海外遠征の場合はちょっと厄介です。
私は去年の新彊ウイグル自治区の日食では
52mm延長チューブ専用のバンドを自作しました。
その経験を生かして今回65SYSTEMのパーツとして
同鏡筒用バンドをラインナップいたします。
ほぼ重心位置のドローチューブに付けた
52mm延長チューブを固定することが特徴です。
固定が一箇所では不安ですので,鏡筒側も固定しますが
完全に固定するとピント合わせができないため
鏡筒側は,緩めに添える程度に固定すれば充分です。
(ピント合わせ時は鏡筒が移動します。
カメラ側より軽い方を動かす方が合理的と思います)
勿論,日食以外にFS-60Cをガイド鏡や撮影用として使う場合にも
有効なアイテムです。(実はこちらの需要も期待しています)
80mmバンドと52mmバンドは単体販売を行う予定です。
なお,ガイド鏡や撮影用として使用される場合でも3箇所
(鏡筒2箇所+延長チューブ1箇所)での固定は,私としてはお勧めしません。
3つのバンドの底面は同一平面になる構造ですが,短いスパンで
直線上の3カ所を固定するのは変形の観点上疑問があります。
三脚が安定するのは3本だからで,4本では安定しないのと同じような理屈ですね。
面は3点,線は2点固定が基本です。
80mmバンドは,鏡筒径が80mmであればFS-60C以外の機種でも
ご使用いただけます。
このバンドを取り付ける日食観測に特化した65SYSTEM用プレートや
星野撮影用の各種プレートも準備中です。