またフォーカサー関連ですが,カメラレンズ用フォーカサーは
カメラマウントと冷却CCD間を微調整するタイプで既に運用しています。
このタイプはピント合わせの際のバックラッシュから解放されることや
フォーカサー自体にスケアリングの調整機能を持っていることなどの
大きなメリットがありZuiko250mmF2では満足の行く結果を得ています。
一方,限られたフランジバック内に取り付けるため,レイアウト上の制約が多いことや
フィルターホイールが使えないなどのデメリットがあります。
当然ですがカメラボディは使えません。
最近自宅では15cm屈折にナローバンドフィルターを使った撮影を楽しんでいますが
15cmはF5.6と暗いため一晩では撮りきれない状況でした。
本来は1作品?に何夜もかけるべきでしょうが,当面はお手軽路線で楽しみたいので
明るいカメラレンズの出番です。
現在使っているタイプはフィルターホイールが付けられないので
結局原点に帰ってレンズのヘリコイドをモーターで回してみることにしました。
試しはZEIZZのTele-Apotessar400mmF4で以下のようにモーターをつけています。
(このレンズはEFマウントまたはM42の何れかで使用できるよう改造しています)
モーターはレンズを付けたアリガタに固定し,タイミングベルト駆動です。
こうするとレンズの回転もできます。(回転でピントも移動しますが)
モーターをレンズとアリガタ間に納めているので運搬時も安心です。
写真では解りづらいのですが,レンズ側に裏返したタイミングベルトを付けているので
ベルトのスリップはありません。
この方式は,ヘリコイドとモーターギヤのバックラッシュがあるので
ピントの追込みには少しコツがいりますがリモートフォカサーとして充分実用になります。
モーターを配置するスペースさえあれば大抵のレンズに適合できそうです。
(レンズ保持の観点から望遠系ではIFでないと適合しづらいようです)
以下はこのシステムで昨夜試写(Ha)した馬頭星雲付近です。
強風でガイドが暴れたせいか星像はやや甘くなっていますが
リモートでのピント調整は快適でした。
これで15cmでははみだしてしまうバラ星雲をSAO合成で撮れそうです。
なおこのタイプのフォーカサーはレンズによってモーターの取付方法が異なるので
部品の頒布予定はありません。
ただ,手持ちの関係で設計可能なPROMINAR500mmF5.6Lに関しては検討中です。